キヤノンTSシリーズの歴史から進化を読み解き分かったこと

キヤノンTSシリーズの過去モデルからの進化を読みとき分かったこと 節約術

キャノンが家庭用プリンターとして送り出している主流のモデルがTSシリーズ。
TSシリーズは3000シリーズをエントリーモデルとし、5000、6000のミドルスペック、7000のスタイリッシュモデル、そしてハイスペックである8000シリーズと展開しています。

TSシリーズの詳しい解説はこちらをご覧ください
【キャノン】プリンターのTSシリーズの違いと比較を徹底解説!

2016年を皮切りにTSシリーズは販売がスタートしましたが、2023年現在でどのような進化をしてきたのかひも解いてみたいと思います。
果たして進化したのか、それとも・・・。

TSシリーズの発売年から歴史を見る

発売年TS3000TS5000TS6000TS7000TS8000
2016年TS5030TS6030TS8030
2017年TS3130TS5130TS6130TS8130
2018年TS6230TS8230
2019年TS5330TS6330TS7330TS8330
2020年TS3330TS7430TS8430
2021年TS7530TS8530
2022年TS3530TS8630
2023年TS6630/6730TS8730

2016年を皮切りにまずはTS5030、TS6030、TS8030が発表されました。
翌2017年には最安モデルのTS3130が登場。TS5130、TS6130、TS8130とそろいます。

2018年にはこれまで毎年新機種を発表していたTS5000シリーズがお休み。TS3000シリーズも新機種は出ずTS6230、TS8230の2機種のみ新型を発表しました。

2019年にはTS6000シリーズの兄弟であるTS7000シリーズの初代TS7330が登場。スペック的にはTS6330と同様で外見が違うだけで消費者は混乱しました

2020年にはTS6000シリーズはTS7000シリーズへとバトンタッチする形でTS6000シリーズは幕引きとなります。エントリーモデルであるTS3000シリーズの新機種TS3330が登場し、TS3330、TS7430、8430の3本柱となります。

2021年にはTS7530とTS8530の2機種に留まり控えめな発表。
2022年もTS3530とTS8630の2機種の発表となりました。

そして2023年にはなんとTS6000シリーズが復活します。しかもTS6630とTS6730を同時発表という奇妙な復活となりました。そしてここまで毎年新機種発売となったTS8000シリーズもTS8730を発表しました。

これらを見ると、キャノンはTS8000シリーズを最も力を入れている(売りたい)機種ということが分ります。そしてマンネリ化が進むミドルスペックはTS6000からTS7000を行ったり来たりでなんとか新鮮味を保っている印象。ただそれにより消費者にはどう違うのかが分かりにくくなり選択疲れとなってしまっています。

それぞれのシリーズの進化を読み解く

次にTSシリーズのそれぞれのシリーズの過去モデルがどのような進化をしてきたかを読み解いていこうと思います。これを理解すると、プリンターメーカーがあの手この手で新機種を売ろうともがいているのがお分かりいただけると思います。

尚、スペックや機能による詳細な情報を追っていくのは大変ですし、疲れると思いますのでここでは【大きな変更点】【インクの種類】【インクコスト】【印刷スピード】に絞って比較していきたいと思います。

TS8000シリーズの過去モデルからの進化

型番変更点インクL判写真印刷コストA4カラー印刷コストL判写真印刷スピードA4カラー印刷スピード
TS8030BCI-370/37129.2円17.0円18秒19秒
TS8130インク変更BCI-380/38122.9円11.9円18秒19秒
TS8230ほとんど変更なしBCI-380/38122.9円11.9円18秒19秒
TS8330ほとんど変更なしBCI-380/38122.9円11.9円18秒19秒
TS8430ほとんど変更なしBCI-380/38122.1円11.4円18秒14秒
TS8530インク変更BCI-330/33125.7円13.0円16秒14秒
TS8630写真印刷スピードアップBCI-330/33125.7円13.0円10秒14秒
TS8730ほとんど変更なしBCI-330/33125.7円12.9円10秒14秒
データはすべてキャノン公式機種情報から抜粋 インクコストは純正インク(標準量)のデータ

進化の軌跡

キヤノンTSシリーズの目玉であるTS8000シリーズ。唯一毎年新機種発表と他のシリーズと比べても力の入れようが分かります。しかし、本当に力を入れているかどうかは疑問です。

この表見て皆さんどう思われますか?

進化してる??

変更点を見てみると、「ほとんど変化なし」が続いてます。厳密にいえば、あまり使わない機能だったりが追加されたりはしていますが、プリンター本来の性能の変化はほとんどアップグレードされていません。

印刷スピードの軌跡

TS8030から始まり、TS8330まで3年間は印刷スピードのスペックに進化はなし
TS8430ですこーしだけA4カラー印刷スピードが上がりましたが、5秒縮めました。

TS8630はさすがに頑張ったのか写真印刷スピードを10秒とかなり早く印刷できるようになりハイスペックモデルにふさわしいスペックとなりました。
注目の最新TS8730は前モデルTS8630とほぼ変わりなしと平常運転の発表でした。

インクの変更とインクコストの軌跡

キャノンに限らずエプソンもそうですが、プリンター業界はプリンター本体を安く提供し、純正インクで儲けるスタイルです。ですから、プリンター本体は何もアップグレードされていないのにインクだけを新しくしてアップグレードしたかのように見せます。

問題はインクの変更によって度々インクコストが上がっているという点です。エアコンであれば新機種であればあるほど、低電力で省エネというのが基本ですが、プリンターではその逆。新しければ新しいほど、インク代が増える傾向にあります。これすごくですよね。

TS8030からTS8130ではインクがBCI-380/381に変更されていますが、これはGoodです。
インクコストも下がり、これでこそ新機種といった感じでインクコストを抑えたかったら新製品がいいですよと本来の謳い文句が聞こえてきそうです。

しかしTS8530になると再びインク変更となり、インクコストが下がるどころか上がっています
このインク変更は8000シリーズだけでなく、これから見ていくすべてのシリーズに言えることなので注目してください。

TS8000シリーズのおすすめ機種はコレ!

TS6000シリーズの過去モデルからの進化

型番変更点インクL判写真印刷コストA4カラー印刷コストL判写真印刷スピードA4カラー印刷スピード
TS6030BCI-370/37129.2円17.0円33秒19秒
TS6130インク変更BCI-380/38120.3円11.5円33秒19秒
TS6230印刷スピードアップBCI-380/38120.3円11.5円18秒19秒
TS6330ほとんど変更なしBCI-380/38120.3円11.5円18秒19秒
TS6630インク変更BCI-385/38629.0円20.3円16秒18秒
TS6730ADF搭載BCI-385/38629.0円20.3円16秒18秒
データはすべてキャノン公式機種情報から抜粋 インクコストは純正インク(標準量)のデータ

次にTS6000シリーズを見てみましょう。
年表を見てもらうとTS6030~TS6330までは毎年新機種発表となり、2020年以降はTS7000シリーズにバトンを渡し、2023年に再び復活となっています。

TS6000シリーズはTS6130でインクをBCI-380/381に変更し、インクコストがグンと下がり非常に良いアップグレードをしてくれました。翌TS6230でも写真印刷スピードを飛躍的に上昇させるなど順調な進化を遂げていました。しかしTS6330では進化がストップしてしまいました。

そして2023年に待望の6000シリーズ復活でしかもTS6630とTS6730が同時にという奇妙な発表となりました。TS6630とTS6730の違いはスペックは同じでADF搭載をしているかどうかの違いなだけです。
この新機種によってインクがBCI-385/386に変更されインクコストはなんと倍近くまでアップするなど改悪となっています

TS6000シリーズも8000シリーズ同様にアップグレード(進化)というよりはインクを替えて新しくなったと見せかけだけの新機種となっているようです。では他のシリーズはどうでしょうか?想像できますよね。

TS6000シリーズのおすすめ機種はコレ!

TS7000シリーズの過去モデルからの進化

型番変更点インクL判写真印刷コストA4カラー印刷コストL判写真印刷スピードA4カラー印刷スピード
TS7330BCI-380/38120.4円11.5円18秒19秒
TS7430印刷スピード少しアップBCI-380/38120.4円11.5円18秒16秒
TS7530インク変更BCI-300/30133.0円19.6円16秒16秒
データはすべてキャノン公式機種情報から抜粋 インクコストは純正インク(標準量)のデータ

TS7000シリーズはTS6330と同時に発売されたTS7330を皮切りに3世代に渡って発売されました。
TS7330はスペック的にはTS6330と同様なのでインクもBCI-380/381を使用しており、インクコストは安い

TS7340ではほとんど内容変わらず、すこーしだけA4カラー印刷のスピードをアップさせました(3秒)
そして3代目となるTS7530ではついに改悪。スペックはそのままインクだけをBC-300/301に変更し新しくなった感を出しただけで中身は単なるインクコスト大幅アップなだけという残念な内容。

TS7000シリーズのおすすめ機種はコレ!

TS5000シリーズの過去モデルからの進化

型番変更点インクL判写真印刷コストA4カラー印刷コストL判写真印刷スピードA4カラー印刷スピード
TS5030BCI-370/37125.1円14.6円33秒20秒
TS5130インク変更BCI-340/34130.9円24.8円36秒20秒
TS5330インク変更BCI-360/36135.2円27.4円36秒20秒
TS5430ほとんど変更なしBCI-360/36135.2円27.4円36秒20秒
データはすべてキャノン公式機種情報から抜粋 インクコストは純正インク(標準量)のデータ

TS5000シリーズはかなりひどいダウングレードを見せております。事あるごとにインク変更をし、その都度インクコストを上げてしまっています。その間、印刷スピードのスペックは変わらずです。
ひどい改悪です。

私自身未だにTS5030が現役なので買い替えの予定はありませんが、買い替えるにしても絶対にTS5000シリーズにはしないですね。TS5030のインクはBCI-370/371の独立インクで互換インクがかなり安くて重宝しているんですが、TS5130以降はインク変更でヘッド一体型のインクになりかなりコスパが悪くなったからです。

インクコストを見ると一目瞭然でTS5030からTS5430のインクコスト差は10円以上の開きが出ていますかなりのコストアップです。
印刷スピードは変わっていません。

TS5000シリーズのおすすめ機種はコレ!状態良ければ中古もアリ!

TS3000シリーズの過去モデルからの進化

型番変更点インクL判写真印刷コストA4カラー印刷コストL判写真印刷スピードA4カラー印刷スピード
TS3130BCI-345/34633.7円24.5円52秒27秒
TS3330ほとんど変更なしBCI-345/34633.7円24.5円52秒27秒
TS3530インク変更BCI-365/36634.8円25.7円52秒27秒
データはすべてキャノン公式機種情報から抜粋 インクコストは純正インク(標準量)のデータ

TSシリーズのエントリーモデルとして2017年にTS3130のデビュー後約2年おきに新機種を発表していますが、内容はスペックは同じ中身は同じ

TS3530では中身そのままインクだけ変える形でインクコストだけが上がりました

TS3000シリーズのおすすめ機種はコレ!

実際は進化はせずインクコストだけ上昇

いかがでしょうか?
TSの全シリーズ、ほとんど同じような進化?劣化?を見せていますね。

このサイトでは常々言っていますが、プリンターが綺麗に印刷できるかどうかはインクの種類よりもインクの数の方が重要です。例えば4色インクのプリンターと6色インクのプリンターであれば圧倒的に6色プリンターの方が印刷の再現性が高いです。4色インクの最新のプリンターでも6色の方が上です。

プリンターの印刷レベルは10年前にとっくに頭打ちをしており、メーカーはプリンターの性能よりも多機能にすることで差別化をする方向に舵を切っています。
もちろんあれば便利な機能もありますが、ほとんどは使う出番がないか、そもそも使いこなせない人が多いのではないでしょうか。

プリンターなんて、きれいに早く印刷できればいいと思っている方もいられると思います。
「ならば最新のプリンターを!」とはならないのがこの業界です。今年発売の機種も2016年に発売された機種も中身はそれほど変わっていないのです。進化なんてしていないのです。

変わったのはインクコストだけと言っても過言ではないでしょう。

逆にこの状況を利用すれば型落ちのプリンターでも安ければお得に買い物ができるということです。

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インクコストを抑えて使いたいプリンターとは?

過去の名インクはBCI-380/381!

過去モデルの中で唯一良かった点というと、BCI-380/381のインクを使っていた時代ということが分ります。
BCI-380/381を使っていたのは
・TS8130~TS8430
・TS6130~TS6330
・TS7330~TS7330

となっています。

BCI-380/381はリーズナブルな価格ゆえ、インクコストを抑えられることで人気でした。
そしてこのBCI-380/381はかなり長い間使われておりその間に互換インクの躍進があった影響でメーカーはこれは儲からん!ということで新機種からは様々な新インクを発表し、互換インクが発売されるまでの時間稼ぎをするレースが始まってしまいました。約2年おきに新インクにするのは互換インク対策でしょう

しかし、ユーザーは今までのインクを使いたいし、インクコストは安い方がいいですよね。
BCI-380/381は互換インクでも非常に人気が高く、かなり安いです。

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BCI-380/381を使える購入可能なプリンターは?

BCI-380/381が使えるプリンターは残念ながらほとんどが型落ちプリンターとなっており、販売しているのはごくわずかとなり、価格も高くなっています。
そんな中、現在購入可能なプリンターはTS8430TS7330TS6330 の3機種となっています。

価格帯は TS8430 > TS6330 > TS7330 となっています。

スペック的にはTS7330とTS6330は変わらないので安く買いたい方はTS7330がおすすめです。

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ただし、このTS8430、TS6330、TS7330はいずれも旧型のモデルになるのでいつまで買えるか分かりません。2023年12月現在ではまだAmazonで販売されていますのでプリンター買い替えの際にはぜひご参考にしてみください。

まとめ

まとめです。キャノンのTSシリーズは2016年から始まった新しいシリーズであり、エントリーの3000、5000、ミドルスペックの6000、7000にハイスペックの8000シリーズという構成になっています。

それぞれの旧モデルからのプリンターとしての性能の推移を見たときに驚くべきことにほとんど旧モデルとの変更がないという事実でした。

そして2.3年おきに繰り返されるインク変更は互換インク対策と見せかけのアップグレード。
近年の新機種には高いインクが使われ、インクコストが大幅に上昇。燃費が良いプリンターはBCI-380/381のインクを使ったTS8430、TS7330、TS6330の3機種。

BCI-380/381は互換インクが非常に安くおすすめ。互換インクならインク革命一択。
TS8430、TS7330、TS6330はいずれも旧型となるので現在買えてもいずれ買えなくなる可能性があるので買い替えるなら今のうち。

長々をお付き合いいただき、ありがとうございました。
それではスマートなプリントライフをお送りください。

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